更年期の不調は、自律神経が原因!?

夕方になるとぐったりしてしまう…
まるでバッテリーが急に減っていくような体調の変化を感じたこと、ありませんか?

更年期はこれまで「気力・体力で乗り切っていたこと」が、だんだん難しくなっていく時期です。

理由もなくイライラしてしまったり、ちょっとしたことで不安になったり、気持ちが不安定になる日も増えやすい。だからこそ、早めに「回復できる体」に整えておくことが大切です。

そこで今回は、自律神経と更年期の関係について、知っておきたいポイントをまとめました。

女性の体には「節目」がある

東洋医学の古典『黄帝内経』には、女性の体は7年周期で変化すると記されています。

7歳…歯が生え変わる
14歳…初潮を迎える
21歳…身体が成熟
28歳…最も充実
35歳…髪・肌の衰えの兆し
42歳…シワ・白髪など変化が目立ちはじめる
49歳…閉経へ

約2000年前の記述ですが、驚くほど現代と重なりますよね。

実際、日本人女性の平均閉経年齢は 50.5歳。そして、閉経前後の約10年間(45〜55歳)を更年期と呼びます。

更年期は、決して特別なものでも、忌み嫌うものでもありません。
体が次のステージへ移行する、ごく自然なプロセスです。

更年期症状の背景にある「自律神経」

更年期になると卵巣機能が低下し、女性ホルモン(とくにエストロゲン)の分泌が減少します。これを脳が感知すると、ホルモンの司令塔である 視床下部 がフル稼働して、卵巣にホルモンを出すよう命令しますが、ホルモンは十分に出ません。

視床下部は女性ホルモンと同時に自律神経 も調整しているため、この時期はより負担が大きくなって、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

このため、更年期には次のような症状が出やすくなります。

  • のぼせ・ホットフラッシュ
  • イライラ・不安・落ち込み
  • 頭痛・めまい・倦怠感
  • 不眠・疲れやすさ

症状に個人差が大きいのは、体質、ストレス環境、生活習慣などが複合的に関係しているせい。

つまり更年期症状は、「ホルモンだけの問題」ではありません。
自律神経への負担の蓄積が、症状の出方を左右します。

自律神経の負担を減らす3つの柱

更年期に自律神経の負担を減らすセルフケアとしては、基本の3つがとても大切です。

① 睡眠

就寝時間より 起床時間を一定にして朝日を浴びる ことが、眠りのリズムを整える第一歩です。

② 運動

ウォーキングや軽い筋トレを日課に。筋肉量は年齢とともに減少しやすいため、維持が重要です。

③ 食事

 タンパク質・鉄・亜鉛 を意識して摂ることで、体の基本的な回復力を支えます。

そしてもうひとつ、とても大切なのが…

がんばりすぎを手放すこと

更年期のつらさは、身体的な変化だけでなく、“これまでのがんばりが限界に近づいている” サインでもあります。

  • 完璧をめざさない
  • 予定を詰め込みすぎない
  • 自分を責めない
  • 休むことに罪悪感を持たない

100点満点を目指さず、70点くらいでちょうどいいと考えてみる。

地元沖縄の「なんくるないさー」精神がいまこそ必要だと実感。完璧主義が顔を出したら、心の中でつぶやくようにしています。心の緊張がゆるむと、自律神経は整いやすくなります。

更年期を快適に過ごすために、鍼灸ができること

日本人女性の平均寿命はおよそ 87歳、健康寿命はおよそ75歳 とされ、健康寿命と平均寿命の差は10年以上もあります。

いかに健康で過ごせる期間を延ばし、QOL(生活の質)を保つかが重要です。

症状がより深刻で日常生活にまで支障をきたすものを「更年期障害」と呼びますが、これには、婦人科でのホルモン補充療法や漢方治療などの選択肢があります。こうした治療と並行して鍼灸治療を取り入れている方もいらっしゃいます。

鍼灸には、

  • 自律神経のバランス調整
  • 筋緊張の改善
  • 血流改善

といった効果があり、100を超えるといわれる更年期の不定愁訴に、東洋医学の全身をみる視点が役立つことがあります。

つらいのは、わたしだけ? じゃない

更年期症状は個人の問題にとどまりません。40代、50代の働く女性の約 40%以上 が更年期症状を経験しているとの報告があり(パーソル総合研究所2024年12月調査)、職場におけるパフォーマンス低下や欠勤・離職が積み重なることによる年間の経済的損失は、約1.9兆円と推計されています(経済産業省「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について)。

働く女性の更年期症状は体だけでなく、人生設計やキャリアにも影響 を与えかねません。体調を崩す前に、自分に合ったケアを見つけておくことは、人生の後半戦を健やかに過ごすための大切な準備です。

わたし自身、産後の不調を長く経験し、そこから10年以上、自分の体と向き合い続けてきました。いまは更年期のまっただ中にいますが、振り返ると、当時よりもずっと体との付き合い方がわかってきたと感じています。

「なんとかなるところまで来られた」という実感があるからこそ、体の声に耳を傾けること、自分の体をケアすることの大切さをお伝えできればと思っています。そして、それは更年期に限らず、どの年代にも共通することなのだと思います。

更年期は、我慢してやり過ごすものではありません。
体が整うと、見える景色が変わります。

当院では、カウンセリングや東洋医学的な診断を用いて、お一人おひとりの状態をていねいに確認します。そのうえで、不定愁訴と向き合いながら、自律神経を整えていきます。もし、何かお困りの症状や気になることがあれば、いつでもご相談ください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

奥沢うるう鍼灸院