
春が近づくと出てくる、くしゃみ、鼻水、目のかゆみ。
薬を飲めばある程度はおさまる。でも、
- なんとなくだるい
- 眠りが浅い
- 頭が重い
- 首、肩がこる
そんな「花粉症+全身の不調」を感じていませんか?
実は、わたしも花粉症歴は長いです。花粉症は免疫が過剰に反応してしまうアレルギー疾患ですが、症状の出方には自律神経や体のコンディションが大きく関わっているなと実感します。
今日はまず押さえておきたい基本の対策と、そこに自律神経ケアをどう組み合わせるかをお話ししますね。
まず知っておきたい、花粉対策
① 花粉をあびない工夫
- マスク・花粉防御メガネ
- 表面がツルツルした素材の服
- 帰宅時に衣服や髪を払う
- 洗顔・うがい・鼻と眼の洗浄
- 室内では空気清浄機を活用
花粉を体に入れないことは、症状軽減に直結します。
② 医療機関での薬や治療
- 抗ヒスタミン薬(第2世代):くしゃみ・鼻水・かゆみ
- ロイコトリエン拮抗薬:鼻づまり
- ステロイド点鼻薬:総合的な鼻症状
- 抗アレルギー点眼薬:目の症状
- 初期療法(飛散開始前からの投薬):症状の軽減
- 舌下免疫療法:根本改善に近いが、長い期間を要する
近年の第2世代抗ヒスタミン薬は、眠気が少ないタイプも増えているようです。
夜になると、鼻が詰まるのはなぜ?
花粉の量はさほど変わらないのに、症状が強く出る日と軽く感じる日、ありませんか?
ここに関わるのが、自律神経のバランスです。
鼻やのどの粘膜の状態、血流、体温調整、免疫の働き。
これらはすべて、自律神経の影響を受けています。
自律神経は、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)のバランスで体を調整しています。
一般的に、ストレスが続くと交感神経が優位になり、炎症が長引きやすくなるといわれています。
一方で、実はリラックスしすぎること、つまり副交感神経が優位になりすぎることでも、鼻づまりは悪化します。
とくに夜、横になったときに鼻が詰まりやすいのはそのためです。
副交感神経が優位になると血管が拡張し、鼻の粘膜が腫れやすくなるからです。
つまり花粉症は、単純に「緊張しすぎ」の問題ではなく、自律神経のバランスのゆらぎそのものが影響しているのです。
睡眠不足、強いストレス、冷え、季節の変わり目。
こうした要因が重なると、自律神経や免疫の働きが乱れ、同じ花粉量でも症状の出方が変わりやすくなります。
だからこそ、花粉だけの問題ではない、という視点も大切です。
女性ホルモンと免疫の関係
近年の研究では、女性ホルモンと免疫系の関連にも注目が集まっています。
エストロゲンは免疫反応に影響を与えることが知られており、妊娠・出産・更年期といったホルモン変動期に、アレルギーが顕在化、または悪化する傾向が報告されています。
私自身も産後にアレルギー症状が悪化し、これまで使っていた化粧品やシャンプーなどがことごとく合わなくなり、肌も粘膜もとても敏感な状態になりました。
「体質が変わった」と感じたあの時期は、ホルモンと免疫、自律神経が大きく揺れていたのだと思います。
東洋医学から見る花粉症
東洋医学では、花粉症を
- 肺の弱り
- 脾(胃腸)の弱り
- 痰湿(余分な水分)
- 肝の高ぶり(ストレス)
などと関連して考えます。
これを現代医学的に翻訳すると――
| 東洋医学 | 現代医学的な視点 |
| 肺の弱り | 粘膜の防御力低下 |
| 脾の弱り | 腸内環境の乱れ |
| 痰湿 | むくみ・炎症体質 |
| 肝鬱 | 交感神経過緊張 |
こうして見ると、東洋医学の視点は、自律神経の乱れと重なる部分が多いのです。
自律神経ケアでできること
花粉が飛んでいるところに住んでいる限り、花粉を完全に避けて生活することは不可能。それなら自分の体を症状が出にくい状態に整えていくことが、少しでも花粉シーズンを穏やかに過ごすための近道です。
具体的には、
- 睡眠時間を確保する(7時間くらい)
- 湯船に10〜15分浸かる
- 冷たい飲み物や甘いもの、アルコールを控える
- 首・お腹・足首・手首を温める
- 深くゆっくりした呼吸、適度な運動を意識する
できそうなことから始めて、しばらく続けてみる。体がどう変わるか、変わらないのか、それを体感することが大切だと思います。
鍼灸でできること
同じ花粉症でも、実は体質によって、鍼灸のアプローチは異なります。その方がどんなパターンの花粉症なのか、大もとの原因は何なのか、そのあたりを見極めながら治療を進めていきます。
「症ではなく、人を見る」これが東洋医学の考え方です。そのうえで気血水のバランスを整え、症状の出にくい体を目指します。
花粉症の時期は、鼻や目だけでなく、首肩の緊張や呼吸の浅さが重なっていることも少なくありません。
そのため、顔まわりの症状だけでなく、首や肩、自律神経のバランスまで含めて整えていきます。
症状が強い場合には、耳鍼を併用することもあります。耳は全身の状態を反映するといわれ、やさしく刺激することでめぐりをサポートします。
「毎年薬は飲んでいるけれど、だるさ、頭の重さ、肩こりで仕事や家事がしんどい」
「妊活中や授乳中で、できるだけ薬に頼りたくない」
そのような方にも、鍼灸という選択肢があることを知っていただけたらうれしいです。
花粉の季節も、深く呼吸できる毎日へ。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
奥沢うるう鍼灸院

