なんとなく肩が重い、首がつまる、パソコン仕事のあとにひどく疲れる……。
そんな“首肩まわりの不調”を感じていませんか?
実はこの首肩こり、自律神経と深く関わっていることも考えられます。
「肩こりは肩だけの問題」と思われがちですが、じつは体の内側で起きている変化が原因のことも多いのです。
今回は、自律神経と肩こりの関係について、3つのポイントからお話しします。
①ストレスや疲労で、交感神経が過剰にはたらく
自律神経には、活動時に優位になる 交感神経 と、休息時に優位になる 副交感神経の2つがあります。
忙しかったり、イライラしたり、緊張が続いたりすると、交感神経が休む間もなくフル稼働に。
すると、身体は“戦闘モード”に入り、筋肉がギュッとこわばりやすくなります。
とくに負荷がかかりやすいのが 首〜肩〜背中。
このあたりの筋肉は、頭を支えたり姿勢を維持したりするために常に働いているので、緊張の影響を受けやすいのです。
「最近すぐ肩がこる」「肩こりがいつもより重い」
というときは、交感神経がずっとONになっているサインかもしれません。
②首肩こりが続くと、心にも影響が
反対に、肩こりそのものが不快感・疲労・集中力低下を引き起こし、心理的ストレスの増加につながることもわかっています。心理的ストレスは交感神経を刺激し、身体が「緊張モード(戦闘・逃走反応)」に入りやすくなります。
この状態では筋肉がこわばりやすく、血管も収縮して血流が悪化し、発痛物質が蓄積しやすくなるため小さな刺激でも痛みを感じやすくなります。その結果、
肩こり → 不快感・疲労 →交感神経の過剰な高まり→ 自律神経の乱れ
という“逆方向の流れ”も起こり得ます。
東洋医学でも、ストレスや緊張が続くと「気」のめぐりが滞るいわゆる「気滞(きたい)」という状態になり、それが首肩こりの一因になると考えられています。
③呼吸が浅くなっていないか、確認してみて
一方で、緊張すると、人は無意識に呼吸が浅くなります。
呼吸が浅くなると、
- 酸素が体のすみずみにまで届きにくくなる
- 全身の血流が悪くなる
- 肩まわりの筋肉がさらにこわばる
という悪循環に陥り、肩こりがぐっと強くなっていきます。「肩がこっているだけ」と軽くみてしまう方も多いのですが、放置していると不眠につながったり、自律神経の働きそのものに影響が出てくる場合もあります。
大切なのは、筋肉の緊張をゆるめて、血流をよくすること。
交感神経過剰な緊張状態から脱して、副交感神経の働きを高めていきましょう。
まずは、この3つから始めてみてください。
① ゆっくり深呼吸する(鼻から吸って鼻から吐く。吐く息を長く)
② 長時間同じ姿勢のままでいない(デスクワークの人も30分に1回は立って軽くストレッチ)
③ シャワーだけですませず、40℃くらいのお湯に浸かる(熱すぎるお湯は逆効果なので要注意)
呼吸が浅い人は横隔膜の動きが悪く、しっかり吐けていないことがほとんどです。まずは息を吐く時間と吸う時間がどれくらいかチェックしてみてください。リラックスのためにはいろいろな呼吸法がありますが、自分の呼吸が浅いなと感じたら、吸う時間の2倍以上かけて吐くことをやってみると緊張が緩和されてくると思います。
そして吸うときは、胸もお腹も前にだけ膨らむのではなく、背中側、横まで膨らませるイメージを持つことが大切です。もっというと上下方向にも膨らみます!毎日続けることで、少しずつ横隔膜が動くようになっていきますよ。
簡単なことでも続けることで、体のリズムが徐々に整っていきます。
一度に解消しようと思わずに、「無理なく続けられる小さな習慣」を積み重ねることから。それがけっこう難しかったりもするのですが、少しでも変化を実感できると続けやすいので、とにかく試してみることが大事なのではないかと思います。
当院でも、首肩まわりの緊張をやわらげ、つらい痛みを緩和し、自律神経が整いやすい状態へ導く施術を行っています。
「首肩のこわばりで、なかなか寝つけない」「夕方になると、首から背中がガチガチになってつらい」「肩こりが強い日は、集中力が続かない」「こりが強くなると、気持ちまで落ち込んでしまう」・・・
そんな方は、お気軽にご相談ください。
寒くなると血流が悪化して痛みが出やすくなります。東洋医学でいうところの「寒邪(かんじゃ)」です。これからの季節はとくに首肩まわり、そして手首足首を冷やさないようにまずは対策してみてください。ネギや乾生姜などを入れた温かい鍋で内臓から温まるのもいいですね!
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
奥沢うるう鍼灸院


