
寒くなってきましたね。きっと美容や健康に気を遣う方なら、もうすでになんらかの冷え対策をとられているのではないでしょうか。
冷えは万病のもと、カラダは温めるべき!というのはもはや常識。たしかにカラダを冷やすのはよくありません。でも、とにかく温めればよいかというと、そういうわけでもないんです。
体質によっては温め方を間違うと、逆に体調を悪化させることもあるので、今回はとくに注意したい体質についてそれぞれの温活法と注意点をまとめていきたいと思います。
タイプ① のぼせやすい人
のぼせやすい人は、東洋医学では陰虚(いんきょ)と呼びます。
カラダを潤す成分(陰)が不足して、体内を冷やすことができず、相対的に陽(体を温めるパワー)が余って、カラダに熱がこもった状態です。
40歳以降の女性に多く、更年期症状とも重なります。
足は冷えるけど、上半身は熱い
顔や手足がほてる
といった方が当てはまります。
陰虚タイプは、そもそも水分が足りていないので、半身浴などで汗をかき過ぎると、カラダの水分が減って陰陽のバランスがさらに崩れ、のぼせやほてりなどの症状が悪化することがあるので注意が必要です。
お風呂に入るなら、40度くらいのお湯で10〜15分くらいを目安にしましょう。
入浴の際は保湿剤も忘れずに。わたしはがよく使うのは、マグネシウムの入りの入浴剤(エプソムソルト)です。お風呂から出たあとも長時間ぽかぽかが続き、寝る前に冷え切ってしまうことがなくなりました。保湿効果もあり気に入っています。
陰虚タイプの人は水分が不足しがちで、お肌が乾燥しやすくなっていますから、ヒートテックのように、人体から出る水分を吸収して発熱するタイプの下着を着ると、乾燥肌が悪化する場合があります。もし思い当たることがあれば、直接肌に触れるものは綿100%に変えるなどしてみると心地よく過ごせるはずです。
タイプ② むくみやすい人
むくみやすい人は、東洋医学的には、痰湿(たんしつ)タイプと考えます。痰湿とは、カラダの中の余分な水分のこと。
水分といっても、カラダを潤す成分としては働かずに、カラダのあらゆるところに詰まったり、停滞したりして悪さをします。
その痰湿が表皮の近くに停滞したのが、むくみ。
むくみのある人は、余分な水分を排出したほうがいいので、半身浴や適度な運動で汗をかくのがおすすめです。
逆に注意したいのが、ホットドリンクを飲みすぎること。
しょうが紅茶、ホットココア、黒豆茶、シナモンティーなどなど
カラダを温める飲み物、それ自体は悪くありませんが、水分の摂りすぎはむくみを悪化させ、下痢など消化器系の不調とも関わるため飲み過ぎにはくれぐれも注意しましょう。
温かい飲み物で暖を取りたくなる気持ちはよくわかるのですが、痰湿タイプの人はカラダを動かし、全身の血流を改善し、水分代謝をよくしていくことが大切です。
手軽な血流改善方法として、簡単なストレッチをご紹介しますね。
椅子に座って少し足を浮かせ、つま先を上に向けます。
5秒くらいたったら、今度は下に向けます。
これを繰り返します。
しばらく繰り返していると、下半身の血流がよくなり、ぽかぽかしてきますよ。
とくにデスクワークの人は、日に何度も行いましょう。
寝ながら行う場合は、つま先をできる限り上に向けた状態で、かかとを下に押し下げるようにして、ふくらはぎを伸ばしていきます。就寝時や起床時にお試しください。
タイプ③ イライラしやすい人
イライラしやすい人は、東洋医学では、気滞(きたい)タイプと判断します。
気滞というのは、気のめぐりが悪くなり、カラダの中で気が滞っている状態のこと。
気が血を動かすため血流も悪く、末端の手先や足先が冷えやすくなります。
そんな方におすすめなのが、爪もみ。
手の指、足の指それぞれ、爪の生え際をちょっと痛いなというくらいの強さで、1本1本もんでいきます。
末端の血流が改善して冷えの症状がやわらぐとともに、自立神経を整える作用もあるので、イライラも落ち着いてきます。
気滞タイプはストレスによって自律神経が乱れ、カラダがこり固まっている人が多いので、ストレッチやヨガなどでカラダをゆったり伸ばしてリラックスさせ、全身の血流をよくすると、自然と冷えの症状も緩和します。
自律神経に負担をかけない服装って?
これから気温が下がれば下がるほど、外は寒いのに電車の中や室内は暑い!なんてことが多くなってきますよね。
この寒暖差は想像以上にカラダにとってはストレスで、自律神経がまいってしまう原因となることも。通勤や通学で、室内と外を行き来するなら、ストールやマフラー、手袋など着脱しやすい防寒具をそろえ、環境に合わせて調節できるようにしておくと安心です。
基本的に頭寒足熱がカラダにとってはいい状態。
ですが、頭を酷使する現代人とくに筋肉量の少ない女性は、足元が冷え、頭はのぼせる、逆パターンが多いです。
下半身は冷えを感じないようしっかり温め対策をとり、上半身は汗をかかないですむよう、厚手の上着と薄手の服を組み合わせて冬を快適に過ごしましょう。
なお、発赤や腫脹など急性期の炎症症状がある人の場合、カラダを温めると悪化することが多いので、冷える部分だけを局所的にカイロなどで温めるようにします。
ちなみに、わたしの温活必需品は、レッグウォーマー、アームウォーマー、ネックウォーマー、あずきの力(首肩用ですが、これを腰に巻いてお腹や仙骨部を温めるときもあります)など。
以前は、腹巻が手放せませんでしたが、最近はどちらかというと腕が冷えるので、二の腕にカイロを貼って、肩だけのカーディガンを着ることが多いです。本当はしっかり筋トレをして筋肉をつけなくてはいけないのですが・・・もし同様のお悩みがある方はぜひお試しください。首肩こりにもいいですよ。
「冬のお布団が寒くて、寝つくまでに時間がかかる」これもあるあるですよね。わたしは長く湯たんぽを使っていたのですが、お湯を沸かすのが面倒になり、レンジでチンして使うタイプの湯たんぽに変え、昨年からは布団乾燥機で温めた布団に入るという変遷を辿っています。
ときどき寒すぎるから靴下を履いたまま寝るという方もいらっしゃいますが、人は手先足先から熱を逃して深部体温を下げ眠りにつくので、ぐっすり眠るためにはレッグウォーマーのほうが適していると思います。
東洋医学では、足首まわりは女性ホルモンと関わりが深いとされていますので、冬に限らず、なるべく冷えないように気をつけましょう。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
奥沢うるう鍼灸院

